
着物には生地の種類と家紋の有無による格の違いがあります。
着物は大別すると「染めの着物」と「織りの着物」に分かれ、「染め」の方が「織り」よりも格が高いとされています。
羽二重やちりめんは「染めの着物」でお召や紬は「織りの着物」です。
一般的に紋付に用いられる羽二重という生地が最も格が高く、普段着で着られる木綿が格が下とされています。
家紋の有無でも格付けがあり、家紋のある方が上とされています。
生地による違い
羽二重 > ちりめん > お召 > 紬 > 木綿
礼装には染めの着物を、普段着には丈夫な織りの着物を着用されているので上記のように考えられています。
家紋による違い
染め抜き紋 > 刷り込み紋 > 刺繍紋
↓家紋の詳細については下記ブログで詳しく解説しております
https://www.otokokimonokato.com/blog/crest-kamon/
家紋の数による違い
五つ紋 > 三つ紋 > 一つ紋
五つ紋が最も格が高く、黒紋付などに入れます。
礼装では決まり事を守りましょう
最近は着物にブーツやスタンドカラーシャツをコーディネートし、着物を柔軟に着る人も増えています。
和洋折衷な着こなしはお洒落でかっこいいですよね。
格を気にせず柔軟に着こなしてもいいですが、第一礼装である黒紋付を着る時は「決まり事」は守っておいた方が無難です。
黒紋付で用いられる生地は羽二重で格が一番上なので五つ紋で家紋を入れる決まりごとがあります。黒紋付で一つ紋や家紋無しというのはありません。
少し余談ですが、普段着として着られる木綿の着物に家紋を入れることはありません。
羽織は洋装でのジャケットです
着物(長着)だけを着ることを着流しといい、一番カジュアルな着こなしです。
羽織は防寒着でもあり、きちんと感のあるアイテムです。
着物と羽織があればスーツ同等以上として着ていただけます。
高価な紬でも一般礼装として着ることもある
大島紬や結城紬はその技術を高く評価され高級着物として知られていますが、格という点においては高くはないと考えられています。
とはいえ高級紬は羽織があればスーツ同等以上としても着られますし、パーティーや食事会等だけでなく一般礼装として着る人もいます。
正絹と化繊の違い
化繊素材は正絹の廉価品のように思われています。
ですが素材が正絹であろうが化繊であろうが同じだと考えてよいでしょう。
「格」という点においては化繊が正絹の下ということではないと思います。素材のメリットデメリットを考慮してお選びください。
↓素材の違いについては下記ブログで詳しく解説しております
https://www.otokokimonokato.com/blog/manual_12/
茶道の着物
茶道は相手に対しておもてなしや礼節が大事とされます。
黒紋付まではいかないですが、きちんと感のある装いを求められます。
お召やちりめんといった着物を着ることが多いです。
いろいろとお話しましたが、その時代や考え方によって着物のとらえ方も変わってきています。
こうでないとと決めつけすぎずに、柔軟に着こなしていただければと思います。