こんにちは、加藤です。
本日は細身の方の着付けで
気を付けておきたいポイントについて解説いたします。
肉づきの薄い人や胸板の薄い方、
細い方などが既製品の着物を着た時に
着物が身体に沿いにくかったり、
帯がずり上がってきたりで、
着崩れを起こすことがあると思います。
一般的には、お腹がでていて
恰幅のある人の方が
着物体型と言われていて
着易いといわれています。
そんな体型にするために
補正をするとも言われたりしますが、
式服として着物を着る場合などを除き、
普段着で気軽に着たい時に
補正までは面倒と思う方も多いです。
細身の人が着物を着る時=補正が必要
というわけではなく、
あくまでも個人的に思うことですが、
男性には必ずしも補正は必要ではないと思います。
補正は難しいので、
きちんとしておかないと
着崩れの原因にもなります。
私も10年以上前は
今よりもスリムだったので、
補正をしている時期もあったのですが、
お腹にへんな膨らみができたりで
途中で止めてしまいました。
そもそも補正って
帯回りにタオルなどを巻いたりするので
意外と暑かったりもしますしね。
というわけで、
今回は補正をせず、
気をつけておきたい点を中心に解説していきます。
ただ、体型は人それぞれで、
着物も一枚の布状です。
着方のコツやポイントなどは
ひとりひとり異なるかもしれませんので、
皆さん全員にお役立ていただけるかわかりませんが、
参考程度にご覧いただけましたら幸いです。
■着る時の注意点
1.左手で上前の衿を持って、
下前の衿先を脇線の奥の方、
腰骨の奥の方で合せるようにします。
下前を入れ込む際に、上前の脇縫い線を固定しましょう。
2.空気を抜いて生地のたるみなどを取ります。
3.おへその下で腰骨にひっかけて仮留めします。
腰骨を意識して平行に締めてください。
4.傾斜などは付けないようにしてください
5.上前の衿先を後にひいて、身頃を整えます。
■帯の締め方と位置について
男性着物や浴衣の帯結びの時に
「横から見た時に、斜めに持ち上がるように締める」
といわれます。
ただ、この帯の結び方は
恰幅のある方には理想の締め方ですが、
痩せている方にとっては
着崩れの原因にもなります。
そのため、細身の方用は
傾斜をつけないで真横に帯を締めます。
腰骨のでっぱりで、
帯の上あたりを締めるイメージで締めましょう。
■便利小物のご紹介
[ゴム製のウエストベルト]
これがあると着崩れしにくいので、
着物がはだけたりする人は是非使ってみてください。
[衿止め]
衿回りの乱れに便利です。
ネクタイピンのような和装小物で、
一度つけてしまうと楽なので、
衿回りの乱れが気になる人は
使ってみてください。
ちなみに長襦袢の衿に取り付けます。
細身の方が、
よくある既製品を着ると
着崩れしやすかったりするので、
できれば体型に合った着物を
着るほうがいいとは思います。
男性着物の既製品は
MやL、LLといって
身長ごとにサイズが分かれていて、
身幅サイズはどちらかというと
大きめに作られています。
ですので、細身の方などは
サイズが合いにくく着崩れします。
ただ、オーダーしたからといって
着物の着崩れが無くなるというわけではありません。
着物の構造上のお話をすると
スーツなどの洋服は
凹凸をつくる為の裁断や縫製をするのに対して、
着物は直線縫いをしています。
ちなみに着物の縫ってある糸を全部解いて、
切り分けたとおりに並べると、
仕立てる前の反物という
元の一枚の布の形になります。
これが洋服にはない
着物ならではの裁断と縫い方です。
そういった形状の着物ですので、
身体の凹凸があれば
洋服以上に着崩れするのは当然のことです。
また、男性着物の場合は
帯が10cm前後の帯1本で締めているだけです。
ですので、着崩れてくるものだと割り切ってください。
またその都度直すことが出来るように心がけてください。
そういった中でも、
細身の方で着崩れも軽減したうえで
着物のオシャレを楽しんでいただけると思います。
動画でも解説しておりますので、
ぜひご覧くださいませ。