恩師への贈り物に家紋入りの羽織の手配をしました

来店や催事でのご相談 加藤
銀糸で家紋を入れた羽織

 

先日ご来店いただいたお客様は、恩師への退職祝いのプレゼントとして和装品をお探しでした。恩師の方は武道をされており、道着と袴を着た時の正装用の羽織を贈るのが良いのではないかということでご相談にいらっしゃいました。

男の羽織を贈り物として

羽織は和装における上着の役割を果たし、洋装でいうところのジャケットにあたります。最近では、羽織を洋装のジャケットのように着こなす方も増えており、特にカジュアルな装いに取り入れるケースが見られます。また、外国人観光客の間でも、日本のお土産として羽織を購入する方が多いという話もよく耳にします。

そんなカジュアルな着方もありますが、一般的には防寒着としてや、装いを引き締める役割もあり、格式ある場でも重宝されるアイテムです。そのため、日常の着物姿をより格調高く演出できることから、武道の師範のような方への贈り物としても大変喜ばれるのだと思います。

また、羽織には家紋を入れることができ、格式や品格を表現することが可能です。今回のお客様も、恩師の家紋を入れた特別な羽織を贈りたいとお考えでした。

 

家紋を入れる方法と納期について

家紋を羽織に入れる方法は以下の2つがあります。

①単物(反物)から仕立てる方法

反物生地の状態で家紋を入れてから仕立てるため、仕上がりが美しく、バランスも整います。ただし、お仕立てと紋入れに時間がかかるため、納期は約2ヶ月半ほど必要です。

②既製品の羽織に家紋を入れる方法

すでに仕立て上がった(既製品)羽織に家紋を入れるため、糸を解いて再縫製する必要がありますす。解き縫い賃も別途かかるので割高ですが、納期を優先する場合には適した選択肢です。

今回は納期を優先したいとのご希望があり、既製品の羽織に家紋を入れる方法を選ばれました。(約3週間)

家紋をいれる方法とデザイン

家紋を入れる方法にもいくつかの選択肢がありますが、今回は「刺繍紋」を選ばれました。刺繍紋は糸で家紋を縫い入れる方法で、立体感があり華やかな印象を与えます。さらに今回の仕上げの糸にはシルバーの糸を使用することで、格式のある中にも豪華かさを演出することができます。

家紋の色を変えることで個性を表現することも可能です。一般的には同色系の糸を選ばれることが多いですが、シルバーや金の糸を使用することで、品のあるアクセントを加えることができます。特に武道を嗜まれる方への贈り物として、シルバーの刺繍紋は洗練された印象を与え、非常に相応しい選択と言えるでしょう。

お届けまでの流れ

今回の羽織は家紋の刺繍をし、約3週間後に仕上がる予定です。納期を考慮しつつも特別な一着をお届けできるよう、細部までこだわりを持って仕上げさせていただきました。

大切な恩師への感謝の気持ちを込めた和装の贈り物。喜んで頂ければ幸いです。