家紋について

FAQ, 仕立て 河村 

結婚式などのフォーマルな装いが必要な時、かしこまった場所などで着用する時に、重宝するのが紋付の着物 ( 羽織 ) です。家紋の大きさは女性が約直径2cm、男性が約3.8cmとされています。

着物や羽織に家紋を入れると「格」があがります。家紋は入れる数や種類によって意味が変わってきます。

 

 



家紋の数

家紋

家紋を入れる場所は決まっており、一つ紋は背中に背紋を入れます。三つ紋は背紋と左右の両袖の後ろに袖紋、五つ紋にはそれに加えて左右の胸に抱き紋を入れます。

正礼装には五つ紋を必ず入れて、三つ紋や一つ紋は、準礼装の装とされます。

背紋黒紋付

袖紋

黒紋付

抱き紋

黒紋付

 

家紋の種類

染め紋

染め紋には【染め抜き紋】と【刷り込み紋】があり、格が高い紋とされています。その為、普段着には使われず主に第一礼装にあたる黒紋付や色紋付に入れられます。

染め抜き紋

染め抜き紋は紋の形を白で染め抜いて黒く縁取ったものになります。

白生地から生地を染める場合にはあらかじめ、紋入れする箇所を丸く染めないようにする事を石持ち(こくもち)と言います。

刷り込み紋

すり込み紋

刷り込み紋は生地の上に染料を刷り込んで表現する家紋で、地色の対比で染め抜き紋では目立たない時や白く染め抜くと生地が傷んでしまう場合や化繊素材などに使われています。染料を上から乗せるので若干装飾的な印象も出るので、染め抜き紋よりも格は下とされています

 

刺繍紋

刺繍紋はその名の通り糸を縫って紋の形をいれます。染め紋に比べて格が下がるため、略礼装のシーンやお洒落なワンポイントに使用されます。

略礼装のため、背の部分に一つだけ紋を入れる「一つ紋」が一般的で、染め紋よりも格が下なので、黒紋付などの第一礼装には使われません。

刺繍紋の縫い方には「マツイ縫い」「スガ縫い」「ケシ縫い」などがあり、一般的な縫い方とされているのが、上記のイメージのマツイ縫いです。

 

貼り付け紋

紋を染めたものや紋を描いたりした生地を着物に貼り付けてワッペンのように使い、一時的や簡易的な場合に使用されています。

洒落紋

花柄などの紋で正式な家紋とは異なるオシャレ感覚で楽しむ紋です。格に影響がないので一般的に普段着などに使われる、フォーマルなシーンには使われません。

 

家紋の見た目

家紋を入れる生地と種類の組み合わせの一例をご紹介します。

刷り込み紋

すり込み紋

節の凹凸がある紬(つむぎ)生地

 

すり込み紋

柔らかいちりめん生地

 

すり込み紋_紗

夏の時期に着られる透け感のある駒絽の生地

刺繍紋

刺繍紋を入れる場合には刺繍の糸の色を選ぶことができます。家紋を入れる生地のと糸の色の組み合わせによって、家紋の見え方が変わります。

主に「共薄色(ともうすいろ)」「共濃色(ともこいいろ)」が一般的ですが、ご希望の色で入れる事も可能です。(糸の種類によって別途料金がかかる場合がございます)

薄色の生地に共薄色の刺繍紋

家紋をあまり目立たせずにさりげなく紋を入れたい方にお薦め

 

薄色の生地に共濃色の刺繍紋

家紋をしっかりと見えるように入れたい方にお薦め

 

濃色の生地に共薄色の刺繍紋

家紋をしっかりと見えるように入れたい方にお薦め

 

濃色の生地に共濃色の刺繍紋

家紋をあまり目立たせずにさりげなく紋を入れたい方にお薦め

 

家紋を入れる際の日数

家紋の種類や数を問わず、お仕立て期間とは別に約2週間の時間がかかります。

 

仕立て上がりの着物や羽織に家紋を入れる

既製品の着物や羽織に家紋を入れる事も可能です。下記よりご注文頂き、商品を当店までお送り下さい。納期の目安はお仕立て開始より約2週間です。

詳しくはこちら 詳しくはこちら

 

珍しい家紋

珍しい家紋の場合には紋型が無く新たに作る必要があります。その場合、家紋の画像データ別途代金4,400円(税込)の追加代金がかかります。

また家紋の模様が細かすぎるものは手配出来ない場合がございますので、ご不安の場合は一度お問い合わせ下さい。