男着物と羽織や帯との色合わせやコーディネートの仕方や選び方

FAQ, 着方・ハウツー 加藤
男着物の色の選び方

店長の加藤です。お客様との接客や私の経験をもとに、着物の色選びについてお話しようと思います。色選びで悩まれている方などは参考にして頂ければと思います(^^♪

 

好きな色を選ぶのが基本

まず最初に、「着物=特別」「着物=難しい」という意識の方も多いかもしれませんが、基本的には洋服選びと同じと考えてください。好きな色を選びましょう

 

TPOやシーンをイメージする

次に着物は日本の伝統的な衣服とはいえ、昔と比べても着方や色柄や形状なども少しづつ変わってきています。私は着物はお洒落着のひとつだと思っているので、「オーソドックスに着たいのか?」「遊び着っぽく着たいのか?」「フォーマルなのか?普段着なのか?家着なのか?」「老けた感じに見られたくない」「落ち着いた感じに見られたい」等
どんなシーンで着物を着るのかのイメージを持ってあまり難しくなく考えて頂ければと思います。

 

とはいえ、
「どんな色が似合うと思いますか?」

そんなご質問の時に私がお話しすることの1つに「着物はスーツ選びと同じように考えてください」とお伝えします。

スーツの定番は「ネイビー(濃紺)」「ダークグレー(濃灰)」「ブラウン(茶)」やフォーマルな「黒」といったところでしょうか。

 

普段、仕事などでスーツを着こなしている方など、深みがあって落ち着いた印象のあるネイビー系を着ることが多いようで、着物選びの場合もネイビー系などを選ばれることも多いです。実際に当店での人気の着物の色は「紺」や「濃紺」などです。

濃紺の男着物

紺系はクールで爽やかな印象にも見えると思います。日本人の顔色にはよく合うので入門としてはお薦めの色です。紺の濃度があがるほど高級感も増えてくると思います。

着物の「紺」や「濃紺」は定番であり王道です。無難で失敗のない色選びではありますが、小物とのコーディネートしやすいのは魅力です(^-^)

紺の男着物

 

 

 

ですが、回りの人と同じような着こなしは嫌だという方は「グレー」や「ベージュ」などの明るい色目もお薦めです。顔映りが明るくなりますし、小物のコーディネートもワンポイントに映えてお洒落にも見えます。

薄い地色の男着物

男着物

以前、ご主人様の着物をお探しでご来店された方がいらっしゃるのですが、その方の奥様(40代位で薄いピンクの着物を着用)が仰っていたのですが、
洋服では薄いピンクは着ないけれど、着物だったら気に入って着ているそうです。

洋服ではしないような着物ならではの着こなしを楽しむこともできると思います。

また、中年の方で「老けた感じは嫌」という方なども薄い地色や茶系などを選ばれることも多いです。着物での色の印象はスーツと同じだと思います。

 

 

茶道などでの着物選びの方は、どちらかというと控えめな中間色のような色を選ばれることが多いです。主張しすぎず、場に浮かないような感じの色目が好まれるように感じます。

 

 

羽織や小物との色合わせ

着物の色以外にも、羽織や帯等の組み合わせにより着姿の雰囲気は変わります。
着物と羽織を共地で仕立てたものを「アンサンブル」や「お対(つい)」といいます。着物と羽織が同系色ならスッキリまとまった落ち着いた印象にもなり、コーディネートの失敗も少なくなると思います。

男着物かっこいい

同系色の着こなしは主流ですが、最近は着物と羽織の色目や素材違いで着こなすのも流行っています。コーディネートの幅や着こなしの奥行も広がり、カジュアルで遊び心がある印象にもなると思います。

スーツと同様にアンサンブルの着物と羽織の方がフォーマル感が増すので、着て行くシーンや場面によっては着物と羽織の色柄違いよりも、アンサンブルでの着こなしが求められることもあるかもしれません。

とはいっても、着物と羽織を着ているとスーツ以上にフォーマルにも見えるので、スーツの時ほど気にしなくてもいいかもしれませんね(^-^)

 

羽織と着物の色柄を変える場合は、まずお薦めしたい組み合わせは共色系です。

男着物のコーディネート 男着物のコーディネート

共色系(同色系)でコーディネートすることで、まとまった印象にもなります。帯や羽織紐といった小物とのコーディネートもしやすくなります。

着物も洋服と同じで、小物類も同系色でまとめると落ち着きますし、反対色の小物などをコーディネートすれば洒落た感じでワンポイントにもなります。

 

 

こちら↓の男着物のコーディネート、着物と羽織は同色系ではありませんが角帯や羽織紐をあまり主張しすぎないもので合わせてみました。大人っぽい落ち着いた印象になりました。

男着物のコーディネート

 

裏地の色選びについて

基本的には表地の色と同色系が基本です。着物にしろ、羽織にしろ、裏地はちらりと見える程度ですが隠れたお洒落のポイントですのでお好みでカスタマイズして楽しみましょう。

同系色の裏地ですっきりした装いに

 

 

羽裏にこだわる

表地はさらりと装いならがらも裏地に遊び心があるものを取り入れるのを「裏勝り」といいます。そんな自己満足の世界に陶酔するのもまた、男着物の楽しみですね(^-^)

裏地にこだわる男の羽織
山水柄の羽裏を用いました

墨絵や和柄の裏地であったり、洋柄なポップなものを取り入れたり…。
着る人の趣向で自由自在に楽しめる羽裏に凝れば、裏勝りの和服に浸れます♪

羽裏の特集ページはこちら

裏地にこだわる男の羽織

 

はじめての着物、せっかく着る着物であれば大人っぽくて清潔感のある着こなしを楽しみましょう!最初から100%格好いい着こなしをするのは難しいかもしれません。80点を目指して、着物を着こなしていき、自分の個性やこだわりをミックスさせて楽しんで頂ければと思います。