2.型紙彫刻
1の工程で出来た図案・図柄を型紙へ落とし込みます。ひとつの図案・図柄を着物の部分(上前・上後等)ごとに20〜30枚、合計で150枚から多いものでは250枚ほどの型が必要となります。型紙は専門の型彫り職人さんへ依頼しています。
3.色合わせ
それぞれの染屋の絵具場にはそれぞれの色本が存在します。
丸染工でも長い歴史の末、現在では中振、留袖合わせて5,000色以上の色見本が保存されております。通常、着物1つの柄でおよそ20〜30色の色を使います。
全ての色に番号が振ってあり、配色伝票に明記されます。その指示に合わせて都度、色をあわせます。友禅の工程の中でもかなり熟練の技術が要る重要なポイントとなります。色糊=もち米糊に染料を加え、試験蒸しを数回行った末に完成。他にもバインダー糊、防染糊、胡粉糊等用途に合わせて多数あり。
7.蒸し
染料を生地に定着させ、発色させる為に、90〜100度近くの温度で20〜60分間程上記で蒸します。
蒸箱は現在ほとんどがステンレス製ですが、内側には昔と同様に木が使われています。
温度、生地の乾燥状態染料の状態、染料の種類や相性で温度や時間などが微妙に異なるので、長年の経験に頼らざるを得ません。
8.水元
染料がすべての生地に染着することはないので、余分な染料や伏せ糊等は水元で洗い流します。
長時間流水にさらし、色のりを十分にふやかして生地から剥離させ、その後、振り洗いなどをして仕上げます。
この時使用する水の水質がよくないと、染料の発色や生地の硬さに悪影響を及ぼすことがあります。
この作業、水元が俗に言われます『友禅流し』となります。かつては鴨川、桂川で行われておりましたが、現在はイベント行事として年数回、鴨川で見られます。
9.印金・刺繍
染色加工を終えた生地に、金銀などの箔や粉を接着させて模様を華やかに彩る技法で「箔暈かし」「糸目箔」「押し箔」「砂子」「摺り箔」等々と生地や模様柄の雰囲気に合わせて自由自在に箔を使いこなしていきます。
平面的な生地の中に立体的な縫いを施すことによってより友禅染を美しく魅力的なものにしてくれます。